【映画レビューno.1】映画『幸せの1ページ』~ファンタジーから学ぶもの~
よなよな起きている日々が続いています。
就活生の私にとって、「睡眠」と「夜更かし」は同じくらい大切です。……言葉としては矛盾しているけれど(苦)
そんな夜は、書くか寝るかのどちらかですが、最近少し楽しみが増えました。
「観る」です。
時々やっている、洋画を片耳と片目、時々両目で視聴して、すこしリフレッシュします。そこで今夜出会った映画が、『幸せの1ページ』。あらすじは以下リンクより。
普段はあまり映画を観ない私ですが、この作品には5分で最後まで観る気にさせられました。
理由は主人公の少女・ニムの言葉にあります。冒頭部分で、彼女が述べる言葉、それは「創造力さえあれば、どこでも行けるの」。その瞬間ぐっと心を掴まれました。
物心ついたころから科学者の父と無人島で住む彼女にとって、世界を広げるツールはネットと本。しかし、どちらも実際に体感できるわけではありません。しかし、そこに載った画像や、動画や、テキストを通して想像すれば、いくらでも当事者になれる。たとえそれが、アフリカの民族村であろうと、海の中であろうと、はたまた大都会ニューヨークの大舞台であろうと、彼女はどこにでも行けて誰にでもなれるというのです。
大人になってしまうと、忘れてしまう才能の一つなんじゃないかと思いました。思い出せば、私も小説のたった一文から某ディズニーの仲間たちと友達になった気がしていたし、遠い歴史をたどって様々な人物に会っていました。
それが普通だった頃は、今気づけば、もう遠い過去になっていたのです。
しかし、今だって本当は、当時の「想像力」が必要な瞬間がいっぱいあって。ただそれに気づいていないか、現実を見るという名目で必死に生きる自分に酔っている気さえしてしまいました。
少し大げさだけれど、そのくらい、インパクトのあるファンタジー作品でした。
ファンタジーなのに自分の実態に気づかされるという不思議な経験でもあります(笑)
ちなみに、作品全体は純ファンタジーで、「死」などの心苦しい描写は一切ありませんでした。そこも救いですね。(癒されたい夜に観るには本当に最適)
ミヒャエルエンデの『果てしない物語』や『モモ』がお好きな方は、きっとのめりこむはずです。ぜひ一度手に取ってみてください。
お子様と一緒にご覧になるのもお勧めです。
唇から広がる白い吐息が美しい季節に~ご挨拶~
寒さが厳しくなってきました。
普段はめったに雪の降らない地域でも大雪や大寒波に見舞われ、慣れない事態に困っていらっしゃる方も少なくないのではないかと思います。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
さて、『いしゃがよい』についてのレビューを書いた前回の記事では、スターをつけていただいたばかりでなく、facebookでたくさんの方にシェアをしていただいたようで、正直非常に驚きました…! しかも、作者様にもお読みいただいたようで。大変光栄であるととも恐縮でもあります。
しかしながら、「読んでくださった方、このブログを知ってくださった方がいること」というのはとてもとてもうれしいです。
さらにご報告です。
大変ありがたいことに、
はじめのご挨拶を書いてから、
はじめのレビューを書いてから、
132日目にしてやっとPV数300を超えました!!
おかげさまで年明けよりぐっと足を運んでくださる方が増えました。以前よりコメントをいただいたり、お気に入り登録をしていただいておりましたが、その嬉しさにさらに拍車がかかった次第です。もう少し、力を入れていきたいと改めて感じました。
少しずつですが、私が非常に大きな存在であると考えている『絵本』を学ぶ中で出会った素敵な作品のレビューを書いていきたいと思っていますので、今後もぜひ、お見知りおきいただければと思います。なにとぞよろしくお願いいたします!
【レビューno.4】MOE絵本屋さん大賞第2位の作品『いしゃがよい』、ごめんさい勘違いしてました←
え、い、医者が良い…?!
この割と自由なご時世で、これからあらゆる”初めて”が待ち受ける幼児期をターゲットとした絵本に、そんなエリート絶対主義、盛り込んでいいの?!
なんて、ずっと思ってました…。
半年くらい…ああ、なんて黒くなってしまったんだ(´;ω;`)
つい一時間前、やっと誤解が解けました。
今回はちょっと自分にがっかりしてしまうほど、
恥ずかしくなってしまうほど、素敵な絵本のレビューを書いていきます。
いしゃがよい 作・絵:さくらせかい出版社:福音館書店 |
『いしゃがよい』とは?
2015年5月15日に福音館書店から出版された絵本です。作・絵はどちらも、さくらせかいさん。昨年2015年(第8回)のMOE絵本屋さん大賞では堂々の第2位を獲得されました。全国の絵本専門店や書店の児童書担当者計2700人にアンケートをとり、上位30冊がその年のおすすめ絵本として表彰されるのです。
そんな30冊のなかに、初作品にして2位を獲得するとはすごいですね。よりこどもを持つ大人に響き、かつこどもにとってよいエッセンスとなるストーリーをもつ作品である証なのでしょう。”Top of 絵本”の1冊として君臨するのにふさわしい作品だと思います。
あたたかい心が戻ってくる
では、実際にはどんな作品なの??
そこが気になるところですよね。1からお話をしてしまいたいところですが、ネタバレになってしまうのは申し訳ないといいますか、あまりよくないと思うのでざっくり言います…!!
ずばり、「あったかい心が戻ってくる絵本」
具体的にはどんな心なのか、いくつか例を挙げてみたいと思います。みなさんのこどものころや、いつかの言葉、これから言いたい言葉を思い浮かべながら読んでいただければ幸いです。
- 無我夢中でおじいちゃんおばあちゃんに伝えた「いつか、おっきなお家を買ってもっと幸せにしてあげるね!」
- 大好きなパパに言った、「わたしがおっきくなったらパパのお嫁さんになってあげる!」(ああ、こんなこと言える娘じゃなくてごめんなさい)
- 結婚を決めた彼女に言った、「一生幸せにしてやるから。」(言い始めはちょっと伏し目で、最後は彼女の顔を見て・・・。。)
- 初めて生まれたお子さんに思わずつぶやいた、「生まれてきてくれてありがとう」
ストーリーとしては、
主人公が体の弱いパンダのこどもを拾い、自転車で通院し続けたところパンダはすっかり元気になり、主人公が老いたころに今度はパンダが主人公の面倒を見る
といった友情ものです。家族だとか恋人だとか、上記で挙げた例とはもちろん少し違うのですが、これらに共通して起こる感情が、この『いしゃがよい』を読んだ後にも感じられるのです。みなさんの心に眠る「あったかい心」が目を覚ます作品なのではないでしょうか。(なんて偉そうなことを言っているのですが、このレビューを読んでくださっているみなさんはもう十分あったかい心が目覚めていると思います…!本当にありがとうございます(´;ω;`))
あったかい心が目覚める共通のきっかけ
そんな、あったかい心。
きっと、これに真っ先に反応するのはおそらくママ・パパと呼ばれるみなさんだと思います。もしかしたら、読み聞かせの先生と呼ばれるみなさんかもしれません。ノスタルジアを愛するみなさんかもしれません。
(ちなみに心を動かされた私自身はまだ小娘の域を脱せていないようなレベルですが、それでさえ、「あったかい心」に気づけたのです。あああなんだか恐れ多い…!)
ただ、共通することは「人との無償のつながり」そして「自分へ幸を与えてくれた人への恩返し」への憧れや愛着や信頼なのではないでしょうか。それがきっかけとなり、あったかい心を思い出したり、眠っていたあったかい心が目を覚ますのだと思います。
この手の話はよくある!
そうも実は思うのです。しかしこの作品はずば抜けて「あったかい心」を目覚めさせてくるのです。
きっと、ありそうでない設定のストーリーだからではないでしょうか。なんといってもまず日本人にとって中国の田舎町景色ってイメージがわきにくいですし、赤ちゃんでも巨体の印象があるパンダを自転車に乗せて医者に運ぶっていうのも、想像しにくいですよね(笑) ただ、ここは人間のいる街であることは間違いないし、もしかしたらこういう地域もあるんじゃ…? と思わされてしまうのです。これも「憧れ」が作用しているのでしょう。
ママとパパが一緒に読んであげても◎
もし、これからこの本を買ってみよう! とお考えのママさんパパさんがいらっしゃり、実際に読んでみて「あったかい心」が目覚めた方がいましたら、ぜひお子さんにはお2人そろってご一緒に読み聞かせをして差し上げてください。お2人の間にお子様を挟んで、順番に読んで差し上げてください。
この「あったかい心」は、確実にお子様にとって必要な心の1つになると思います。その心を教えるときに、おそらく一番効果的なのが大好きなママ、パパの心のこもった言葉たち(読み聞かせ)なのではないでしょうか。
共感してくださったらぜひご一報ください!(笑) 喜びます!(笑)
まとめ
いかがでしたでしょうか!
こどもにとっても大人にとっても、エッセンスを与えてくれる絵本、素敵ですよね。今回は2015年MOE絵本屋さん大賞第2位の『いしゃがいい』をご紹介しました。ぜひ書店でも手に取ってみてください!
今回も最後までご拝読いただきありがとうございました。
読者登録をしてくださった方、主催グループ≪絵本の玉手箱≫に参加してくださった方がいらっしゃり、大変うれしく思っております。
細々とですが、続けてまいりますので、ぜひ仲良くしていただけたらと思います。
よろしくお願いいたします!!
手元から親子コミュニケーションをサポートするApp登場!
初めに
あけましておめでとうございます!
ご無沙汰した投稿となってしまいましたが、今年も「ゆるく!」をmottoにママ・パパ・お子様に役立つ情報や絵本レビューを更新していきますのでどうぞお付き合いください(*^^*)
さて、今年一本目のニュースは・・・
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20160103000067www.kyoto-np.co.jp
「えほんウォッチフェイス」の登場!
京都にある株式会社ゆめみさんが、スマートウォッチ向けのAppを開発したそうです。スマートウォッチの背景画面が絵本の絵柄になるといったもので、ファミリー層をターゲットとしたAppだそうです。
近年の絵本事情はいかに
近年、iPhoneやスマホといったタブレット系端末の増加に伴い、雑誌や書籍など紙媒体が主流のメディアもデジタル化が進みました。その波に乗って、絵本ナビさんをはじめ「絵本」もデジタル化され、iPhoneやスマホ、タブレット端末で気軽に読めるようになりましたよね。
電車でも、つい「あんなに小さなこどもがスマホに夢中・・・!」と驚くことも少なくなったように思います。そうした端末自体が、親世代にとってなじみのあるデバイスであるからこそ、新しい形の親子コミュニケーションが生まれていると思います。
お母さま方の工夫によって、こどもが絵本に触れる機会が身近になったともいえるでしょう。(電磁波やブルーライトによる影響については正直なところ懸念点が多いのですがここでは触れません)
よりスマートな時代に、絵本も参入
それだけでなく、日々進む世界では徐々に、ウェアラブル端末の主流化に伴いメインデバイスが小さくなっています。
その代表がスマートウォッチでしょう。ここまで小さくなるとさすがに、1つのデバイスでなにもかもはできなくなるのかなあと考えてしまいます。ましてや「絵本」は、参入できないだろうと考えていましたが、まさかこんな形で絵本が利用されるとは思っていませんでした。
新春は手元から、親子コミュニケーションスタート!
パパやママがいつもつけている腕時計。気になって気になって仕方がない。やっとのぞいたらそこには・・・絵本の世界!!
このように、「えほんウォッチフェイス」が親子間にあらたなコミュニケーションを生むことを願います!背景になるということですから、こども向け絵本のデザインから大人向け絵本のデザインまで選べたりしたら大人も楽しくなっちゃいますよね! これからの発展に期待です。
ママにもベビーにも嬉しい環境が無料で!! フレーベル館が提供する「はじめて」いっぱいの子育て施設情報
無料で利用できる子育て施設が、あの、フレーベル館本社に誕生しました!
フレーベル館といえば『それいけ!アンパンマン』で有名な老舗企業です。しかし児童書の出版だけにとどまらず、子供の世界をとりまくあらゆる環境で活躍され、創業100年を超える会社。私もだいぶお世話になりました。
そのフレーベル館が、本日10月16日の13時より、文京区の本社1階にて子育てに活用できる空間を開放するとのことです。
開館日は月~金曜日。第3火曜日はお休みとのことですが、平日は毎日10:00~16:30の間を3回に区切り、開放しているとのことです。
対象は満1さい~未熟児まで。遊具で遊んだり、絵本と触れ合える機会もあるとのこと! はじめてがいっぱいの大切な時期に、こんな環境にふれあえるなんてうらやましい限りですね。また、年会費(300円)を払えば無料で使い放題! はじめて「ママ」になられた方にとっても、さまざまな出会いのきっかけになるのではないでしょうか。
私も行ってみたいのですが、これ、お子様がいらっしゃらないとだめですかね・・・。笑 んんんー、せっかくの機会ですが、足を運ぶのはもう少し我慢して、今は情報収集に専念しようかと思います。
このブログに足を運んでくださっているみなさま、もしご縁があって「行ったよ! 」もしくは「行く予定だよ! 」というかたがいらっしゃったらぜひご感想をお聞かせください(^^)
フレーベル館の主催する、素敵な子育て空間のご紹介でした。
【レビューno.3】『そらいろのたね』大人の目線と、正直な「たね」たち
『そらいろのたね』
1967年に福音館書店から発売された絵本です。
作・絵は『ぐりとぐら』でおなじみの中川李枝子さんと大村百合子さんです。世界でも人気のある作品で、英語ver.も存在。お二人の作品は、世界で非常に人気の高い作品ばかりなのです。
その中から今回は『そらいろのたね』をご紹介。白と青が基調のさわやかな絵本です。
まだお読みになったことのないみなさん、ぜひ書店へ足を運んでみてください! 幼いころに学んだ、大切なことがたっぷりと詰まっています。
あらすじ*
主人公のゆうじくんは、かっこいい飛行機の模型で遊んでいました。
そこにきつねが現れ、自分の持っていた「そらいろのたね」と交換してほしいと頼むのです。ゆうじくんは交換した種を大切に育てます。すると、その種がみるみる成長して・・・。
”欲張りは身を亡ぼす”なんてわかっていたけれど
簡単にまとめてしまうと、きつねはちょぴり欲張りだったのです。
自分が一番、かっこいいものを持っていたかった。かっこいいものは全部自分のものにしたかったんですよね。
まさに、”お前のものは、俺のもの”。
ドラえもんに出てくるジャイアンがよく口にする言葉です。「まあ、なんて図々しいの! 」なんて言いたくなることもありますが、『そらいろのたね』を読んでハッと、自分もこういく感覚に陥ることはないかな?! と、少し冷や汗でした。
意外と、身近な感覚なのかもしれません。子供のころは、誰もが一度は虜になった感覚なのかもしれません。ここのきつねは、とても人間らしい、そんな感覚を持っていたのですね。
しかしやはり、”欲張りは身を亡ぼす”。自分の欲ばかり押し通してしまったことによって、全部が崩れてしまうのです。
”HAPPYはみんなにおすそ分け”という徳
そんなきつねとは相反して、ゆうじは自分の得たHAPPYにみんなを巻き込みます。つい、「なんていいこなの? 」と声を漏らしそうになりますが、こちらも同様に、子供のころに誰もが通った道なのかもしれません。
ちなみに、ここに描かれるゆうじのHAPPYはちいさいころに憧れを抱いていたものそのものでした。よくお友達と、妄想しながら話したなあなんて思い出してすこしほっこりとします。
読まれたことのあるみなさん、いかがでしょうか?
読まれたことのないみなさんは、ぜひ予想してみてくださいね。
自分に訪れた幸せや、チャンスを人に分け与えるというのは、理想的ですが非常に勇気のいる行為だともいます。それをあたりまえにできてしまうゆうじくん。もうわたしはすっかり大きくなってしまいましたが、大変勉強をさせられました。
「どっちが良く」て「どっちが悪い」なんて、ないんだった
『そらいろのたね』に登場するメインキャラクターとして、ゆうじくんときつねがおり、両者についてお話をしてきました。一見、きつねは自己中心的で、ゆうじくんはいい子と求めたくなりますが、どちらが良いも悪いもないんですよね。
そういった意味で、子供という存在は、「人間のたね」みたいだなあと思います。
どうしても比較して優劣をつけがちですが、どちらも子供であることに変わりはありません。そして、すこし周りを見渡すと、子供には必ずどちらかの特性があると思うのです。ちょっと意地悪しちゃったり、周りが心配するくらいいい子だったり。でも、しばらく経つと、お互いが自分に今までなかった特性を身につけ始めるのではないでしょうか。
そう考えると、きつねもゆうじも、どちらもとても大切な存在です。私たち人間の、それこそ「たね」のような存在と例えてもよいのかもしれません。
また結果として、この作品ではきつねの存在を用いて「欲張りはいけません」ということを伝えますが、この際に傷つく存在は誰一人いないのです。この部分が、何よりも、両者の必要性を肯定し、ありがちな感情を教訓として上手に伝えているのです。
まとめ
中川さんと大村さんの作品には多くの子供たちが登場します。
その中でも性格はみなバラバラで、個性的ですが、誰一人が浮くことなく存在しています。この『そらいろのたね』ででてくるゆうじもきつねも、その子供たちのなかの1人なのです。
つい大人の目線で様々な個性に優劣をつけがちですが、その優劣を0にして向き合っていくと、学ぶことが予想以上に多いのかもしれません。
将来は、絵本を用いた子育ては、大変有効だと思いますが、その都度絵本から「こども」という存在を学んでいきたいと思います。
星の王子さまがアニメーション映画化 ”あの日”に戻りたくなる秋が、もうすぐそこに
「あの飛行士は、生きていた。」
星の王子さまファンにとっては深くまでグッと突き刺さるフレーズ。CMが印象的な『リトルプリンス 星の王子さまと私』が11月21日に公開されます。星の王子さまが大好きな私にとっては待望の作品。アニメーション化されるとなると、どのような形になるのか期待に胸が膨らみます。
星の王子さまの映画といえば、1974年のミュージカル映画が印象的でした。王子さま役の男の子のかわいいこと。キツネの賢いこと。傲慢なバラの妖艶なこと。
あの「大人向け」なイメージとは打って変わった「アニメーション」での映像化…、予告編を見る限りミュージカル映画の「大人が楽しむ」作品とは違い、「大人が子供に戻って楽しむ作品」というイメージがあります。
また、今回のコンセプトとして、原作にのっとり登場人物に名前が付けられていないとのこと。その理由は以下のようです。
それは、特定の人物にしないことによって、人種や国境を越えて世界中のさまざまな人々に共感してもらうためであり、観客は登場人物たちからさまざまな"気づき"を得て、"自分の物語"として感じることができる。
この”観客”にあたる人々の多くは、もうすでに一度、王子さまとも飛行士とも狐ともバラとも出会っているのかもしれません。
「大人向け」「大人が子供に戻って」という言い回しを使うのは私自身が星の王子さまを「大人のための児童文学」と呼んでいるためです。アニメ化された星の王子さまは、星の王子さまに魅了されたいつかの子どもたちが、暗い映画館という空間の中でその「いつか」に戻るための時間になるのように思っていますし、期待をしています。
待ち遠しい、星の王子さま。今年はブームになるでしょうか。
またここでも何度かに分けて星の王子様について書き残していきたいと思います。