絵本を読みたいお年頃。

パンダをこよなく愛するあの日の少女が徒然なるままに書く絵本のレビュー。

【レビューno.4】MOE絵本屋さん大賞第2位の作品『いしゃがよい』、ごめんさい勘違いしてました←

え、い、医者が良い…?!
この割と自由なご時世で、これからあらゆる”初めて”が待ち受ける幼児期をターゲットとした絵本に、そんなエリート絶対主義、盛り込んでいいの?!

なんて、ずっと思ってました…。
半年くらい…ああ、なんて黒くなってしまったんだ(´;ω;`)
つい一時間前、やっと誤解が解けました。

今回はちょっと自分にがっかりしてしまうほど、
恥ずかしくなってしまうほど、素敵な絵本のレビューを書いていきます。

  

いしゃがよい いしゃがよい
作・絵:さくらせかい出版社:福音館書店絵本ナビ

『いしゃがよい』とは?

2015年5月15日に福音館書店から出版された絵本です。作・絵はどちらも、さくらせかいさん。昨年2015年(第8回)のMOE絵本屋さん大賞では堂々の第2位を獲得されました。全国の絵本専門店や書店の児童書担当者計2700人にアンケートをとり、上位30冊がその年のおすすめ絵本として表彰されるのです。

そんな30冊のなかに、初作品にして2位を獲得するとはすごいですね。よりこどもを持つ大人に響き、かつこどもにとってよいエッセンスとなるストーリーをもつ作品である証なのでしょう。”Top of 絵本”の1冊として君臨するのにふさわしい作品だと思います。

 

あたたかい心が戻ってくる

 では、実際にはどんな作品なの??

そこが気になるところですよね。1からお話をしてしまいたいところですが、ネタバレになってしまうのは申し訳ないといいますか、あまりよくないと思うのでざっくり言います…!!

ずばり、「あったかい心が戻ってくる絵本

具体的にはどんな心なのか、いくつか例を挙げてみたいと思います。みなさんのこどものころや、いつかの言葉、これから言いたい言葉を思い浮かべながら読んでいただければ幸いです。

  1. 無我夢中でおじいちゃんおばあちゃんに伝えた「いつか、おっきなお家を買ってもっと幸せにしてあげるね!」
  2. 大好きなパパに言った、「わたしがおっきくなったらパパのお嫁さんになってあげる!」(ああ、こんなこと言える娘じゃなくてごめんなさい)
  3. 結婚を決めた彼女に言った、「一生幸せにしてやるから。」(言い始めはちょっと伏し目で、最後は彼女の顔を見て・・・。。)
  4. 初めて生まれたお子さんに思わずつぶやいた、「生まれてきてくれてありがとう」

ストーリーとしては、
主人公が体の弱いパンダのこどもを拾い、自転車で通院し続けたところパンダはすっかり元気になり、主人公が老いたころに今度はパンダが主人公の面倒を見る
といった友情ものです。家族だとか恋人だとか、上記で挙げた例とはもちろん少し違うのですが、これらに共通して起こる感情が、この『いしゃがよい』を読んだ後にも感じられるのです。みなさんの心に眠る「あったかい心」が目を覚ます作品なのではないでしょうか。(なんて偉そうなことを言っているのですが、このレビューを読んでくださっているみなさんはもう十分あったかい心が目覚めていると思います…!本当にありがとうございます(´;ω;`))

あったかい心が目覚める共通のきっかけ

そんな、あったかい心。
きっと、これに真っ先に反応するのはおそらくママ・パパと呼ばれるみなさんだと思います。もしかしたら、読み聞かせの先生と呼ばれるみなさんかもしれません。ノスタルジアを愛するみなさんかもしれません。

(ちなみに心を動かされた私自身はまだ小娘の域を脱せていないようなレベルですが、それでさえ、「あったかい心」に気づけたのです。あああなんだか恐れ多い…!)

ただ、共通することは「人との無償のつながり」そして「自分へ幸を与えてくれた人への恩返し」への憧れや愛着や信頼なのではないでしょうか。それがきっかけとなり、あったかい心を思い出したり、眠っていたあったかい心が目を覚ますのだと思います。

この手の話はよくある!
そうも実は思うのです。しかしこの作品はずば抜けて「あったかい心」を目覚めさせてくるのです。

きっと、ありそうでない設定のストーリーだからではないでしょうか。なんといってもまず日本人にとって中国の田舎町景色ってイメージがわきにくいですし、赤ちゃんでも巨体の印象があるパンダを自転車に乗せて医者に運ぶっていうのも、想像しにくいですよね(笑) ただ、ここは人間のいる街であることは間違いないし、もしかしたらこういう地域もあるんじゃ…? と思わされてしまうのです。これも「憧れ」が作用しているのでしょう。

 

ママとパパが一緒に読んであげても◎

もし、これからこの本を買ってみよう! とお考えのママさんパパさんがいらっしゃり、実際に読んでみて「あったかい心」が目覚めた方がいましたら、ぜひお子さんにはお2人そろってご一緒に読み聞かせをして差し上げてください。お2人の間にお子様を挟んで、順番に読んで差し上げてください。

この「あったかい心」は、確実にお子様にとって必要な心の1つになると思います。その心を教えるときに、おそらく一番効果的なのが大好きなママ、パパの心のこもった言葉たち(読み聞かせ)なのではないでしょうか。

共感してくださったらぜひご一報ください!(笑) 喜びます!(笑)

 

まとめ

いかがでしたでしょうか!
こどもにとっても大人にとっても、エッセンスを与えてくれる絵本、素敵ですよね。今回は2015年MOE絵本屋さん大賞第2位の『いしゃがいい』をご紹介しました。ぜひ書店でも手に取ってみてください!

今回も最後までご拝読いただきありがとうございました。
読者登録をしてくださった方、主催グループ≪絵本の玉手箱≫に参加してくださった方がいらっしゃり、大変うれしく思っております。

細々とですが、続けてまいりますので、ぜひ仲良くしていただけたらと思います。
よろしくお願いいたします!!

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